ひちへんげ

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ユリアと会うinミュンスター

 

 

デュッセルドルフに泊まった理由。それはミュンスター彫刻プロジェクトを見るため。

デュッセルドルフってデュッセルドルフ芸術アカデミーもあるし、日本企業もあるらしいし、ミュンスターにまあまあ近くね?と思っていたけど、正直そんなに近くない。

22日、23日でミュンスター彫刻プロジェクトを回ることにした。22日は、ネットでミュンスターのレストランなどについて聞いていたユリアという女の子に街を案内してもらった。ユリアはミュンスターヴェストファーレン=ウィルヘルム大学の学生。後から知ったけどこの大学はドイツで一番大きいらしい。

 

ミュンスターについて

ミュンスターはガイドブックでもほとんど取り上げられてない街だけど、実際行ってみて、居心地の良い、いい街だと感じた。なぜ居心地が良いのか考えてみたけれど、街の構成が、近代的な駅前と、そこから少し離れた旧市街地の歴史的な街並み、そして公園や緑地の多さ、学生が多いため文化的で自由な空気があるからかな。日本でいうと、少し違うかもしれないけど「金沢」っぽさを感じた。金沢も駅前は妙に近代的だし。

 

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駅前は、映画館が並んだり大きな地下駐輪場があったりする普通の現代的な雰囲気(ミュンスターは自転車に適した街らしい)。少し歩くと、かつて城壁に囲まれていたミッテ地区に入る。駅はミッテ地区から見て東南にあり、少し離れているのがいいと思う。ミッテ地区に入ると、古い建築が並び、中世の街並みを再現してある。ミュンスターは第二次世界対戦の爆撃で壊滅的被害を受けたが、この街並みは大戦後史実を参考に再建されたものだという。伝統的な切妻建築の並ぶ商店街(プリンツィバルマルクト)は道が広く、おしゃれな店が並んでいる。ところどころに古い教会。ミッテ地区を突っ切って北西方向に歩くと、ヴェストファーレン=ウィルヘルム大学の本部のあるSchlossがあり、その裏には広い公園?緑地が広がっていて、お墓があったり、ピクニックしていたりする。

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↑切妻建築

 

ミッテ地区の南西にAaseeという湖が広がっている。私は湖には行かなかったけど、駅の反対側(ミッテ地区側でない方)にStadthafenという運河のような川があって、そこはトライアスロンの会場になったり、いい感じのカフェが並んで市民の憩いの場になっているようだった。

ミュンスターは、歴史的には17世紀の三十年戦争の講和條約が締結されたことで有名らしい。

 

ユリアの話してたこと

ユリアと現地の「Pinkus Brauerei」というドイツ料理やさんに行き、プレッツェルやソーセージを片手にビールを楽しんだ。その後、ユリアが街を案内してくれた。ミュンスターは歩いて回れるが、自転車があると彫刻プロジェクトも回りやすいけど、あいにくレンタサイクルはすべて借りられていた。ユリアの提案で、大学のパスがあれば同行者も無料らしいので、路線バスに乗った。道中、ユリアが話していたことを忘れないようにまとめておこうと思う。

  • ついこないだ(7月)、すごい嵐が起きて、町中が川みたいになった。こんなこと今までなかった。
  • ユリアはミュンスター出身ではなくて、大学で教師になる勉強をしている。ドイツの教師は大学院までいかないとなれなくて、難しいらしい!(日本もそうした方が良いのでは。。)ドイツの中でどこに配属されるかわからない。
  • ユリアが子供の頃は日本のアニメがたくさんテレビで流れていて、コナンを見て育ったので鳥取を知っていた。小五郎って言ってた(昔は子供にも見せられるアニメがたくさんあったってことかな)
  • ユリアが連れて行ってくれた街の東南にある運河のような川。ユリアは「Port」と言ってたけど確かに川というよりは小さな港のよう。奥に行けばビーチがあって(人工的なものだろうけど)、木から飛び込んだりして遊ぶらしい。この川でよくビールを飲んでるらしく友達が川に落ちたりしたらしい。スカルプチャープロジェクトのErkmenの作品もあった。川に沈んだ橋?板を渡して、対岸に歩いていけるというもの。水の上を歩いているように見えるらしい。この日はトライアスロンの大会をやっていて使えなかった。
  • 川沿いにカフェやいい感じの店が並んでいて、陽気の中みんながビールを飲んだりしていていい雰囲気。ギャラリーとスタジオが入っている大きな建物があって、中を覗いてみたが、ギャラリー1つしか空いていなかった。スタジオらしきものもあって、日本人の名前も書いてあった。レジデンスなどで使っているのだろうか?ギャラリーはマンマアンダーソンやリヒターなど有名作家を取り扱っていたけど、建物内はシーンとしていて、ユリアは「不親切だなあ」と言っていた。
  • ミュンスターには教会がたくさんある(たぶん宗教都市だったから)。ミッテにあるラムベルティ教会には3つのかごが吊り下げられてて、罪人を入れていた。(これは昔スカルプチャープロジェクトで「3つの鬼火」という作品に使われたらしい。みたかった)
  • ケバブはよく売ってるし、drink foodだという。夜遅くまでやっているから飲んで遅くなった時にも食べれるとのこと。後から調べたらドイツにトルコ移民が多いのは、70年代だかに労働者が足りなくなって、大量に移民を受け入れたかららしい。

他にも、日本に旅行した時の面白エピソードを聞かせてくれた。

ユリアに案内してもらったおかげもあり、ミュンスターは私の中で特別な街になった。ミュンスターという街の雰囲気は、都会過ぎず、でも文化的でもあって、この後色々な街に行ったが、ドイツの中では一番暮らしたいと思う街だった。

 

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 ↑きんちょーしていてあまり食べれなかったがとても美味しかったドイツ料理

 

ユリアと別れたあと、LWLミュージアム(なんとなくスカルプチャープロジェクトの真ん中らへん)を観たが、これまたすごいボリュームで、中世の宗教絵画や彫刻だけでもすばらしく感動的で、時間が足りなかった。

ミュージアムの中におそらくミュンスターのかつての領主一家肖像画があったけど、妙に下手くそな肖像画で笑ってしまった。。

 

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Düsseldorfとミュンスターは思ったよりも近くなかったので(埼玉から横浜くらい)、スカルプチャープロジェクトをじっくりみるためにはミュンスターに泊まった方がいいと思う。カッセル(ドクメンタ)に比べて、街自体が広すぎず移動しやすいし、過ごしやすい雰囲気があるので…。